熱中症対策しているつもりが、多湿にやられる!
熱中症対策で気化式の冷風機・冷風扇を使っていると、涼しくないだけでなく、気持ち悪くなってきた、という経験はありませんか。
その原因は、冷風機・冷風扇によって部屋の湿度が上がってしまっているからです。
気化式の冷風機や冷風扇の基本的な原理を身近なものに例えると、“濡れたタオルに風を当てると冷風に変わる”という単純なものです。吹き出す風が冷たく感じるのは、夕涼みのために撒く打ち水やアルコール消毒と同じで、水が蒸発するときに周りの熱を奪う「気化熱」を利用したものです。アルコール消毒でヒヤッと感じるのも、アルコールの水分が蒸発する時に皮膚の熱を奪うためです。
このような仕組みで涼しくなると謳っているものが気化式の冷風機や冷風扇なので、水を気化させて空気中の熱を奪った風と一緒に、湿気もたくさん排出されています。その湿気によって部屋の湿度が上がり、逆に熱中症に似た症状のめまいや吐き気を招いてしまうのです。
水は人間にとってなくてはならないものですが、湿度の高すぎるところに長時間いると、体に様々な負担をかけてしまいます。
湿度が高い環境が体にもたらす影響を調べてみました。
体の不調を引き起こす湿気を、東洋医学では『湿邪(しつじゃ)』と呼ぶそうです。「湿邪」は外部からの疾病の原因である六淫(りくいん)のひとつで、湿気の強さにより体内に余分な水分を貯め込むといわれています。
2大不調は「冷え」と「自律神経の乱れ」
1 高湿度は「冷え」を引き起こす
私たちの体は、汗をかいて体温を調節します。しかし湿度が高すぎるところにいると、体全体の発汗が上手く機能しません。
発汗が上手く行かないと代謝が悪くなり、血液の循環が滞り、体が冷えてしまいます。また、体内に水分や老廃物を貯めてしまうことになり、頭痛や肩こりの症状を起こす原因にもなります。
さらには、血液の流れを悪くするので、むくみやだるさにもつながります。疲労や倦怠感などの全身症状を引き起こすこともあります。
参考サイト http://www.sano-ph.co.jp/yomoyama/4909
2 高湿度は「自律神経を乱す」
私たちの体には外部環境の変化にかかわらず、体温などを一定に保つ働き「ホメオスタシス(恒常性)」が備わっています。
その働きに重要な役割を果たしているのが自律神経です。
急激な温度変化や気圧変化もそうですが、高湿度は自律神経を乱す原因です。
体は通常、交感神経と副交感神経が入れ替わりながらバランスをとっていますが、高湿度によってそのバランスが乱れ、副交感神経が優位になると体のだるさを感じてしまいます。
例えば、寝ようとしてもなかなか寝付くことができなかったり、胃酸が多めに出たり、動悸、不安や緊張などを引き起こしてしまうこともあります。
また、「身体が重い」「頭が痛む、重い感じがする」「めまい、立ちくらみがする」「車酔いしやすい」「悪心、嘔吐がある」などは、「冷え」と「自律神経の乱れ」の症状が進んだサインです。
「食欲不振」「体がだるい」「むくみ」「下痢」「頭痛」「不安感」「めまい」「不眠」などの症状は、湿度が高くなることで体内の水分が汗や尿として外に排泄できずに、体内に貯まってしまうことによるものです。
急激な湿度の変化は、人にとって非常なストレスになり、それが自律神経を乱し、冷えや痛みを感じさせ、憂鬱な気分になっていきます。
参考サイト https://www.mochihada.co.jp/column/238
https://tenki.jp/suppl/usagida/2015/07/08/4491.html
http://gleenseikotsuin.net/archives/1201
このように高湿度な環境は、体のみならず心にも影響をもたらすことがわかりました。
夕涼みの打ち水は、気化熱をもった水蒸気がその場に留まらないからこそ有効です。
しかし、室内で使うことの多い気化式の冷風機や冷風扇の場合、吹き出される風に含まれる気化した水蒸気は、その場に留まって湿気を生みます。
蒸発する時に熱を奪った水蒸気は、内部に熱エネルギーを抱えた爆弾のようなものです。
室内を漂ったまま、少し時間がたって凝結すればまた熱を放出しますから、部屋の温度は下がらず、湿度だけが高くなってしまいます。しかも、湿度が高くなると蒸発する速度も鈍くなる悪循環で、風が生ぬるく感じられるようになります。
「もわっとした湿度の高い空気をかき回しているだけだ」と後悔される方も多いと思います。
熱中症対策として全く逆効果です。
窓を開ければ使えるのでは…とも思いましたが、暑い日は外気そのものが不快ですので、そこまでして使っても効果はほとんど見込めません。
部屋を安定して冷やし、快適さを感じるためには、部屋の中の熱と同時に湿気をしっかり外に放出しない限り不可能です。
除湿機能のあるエアコンで、湿度を40%から60%に保つようにすることが肝要です。やはり熱中症の対策には、エアコンが最適だといえます。
参考サイトhttps://frytiger.com/archives/4505.html
https://blog.goo.ne.jp/kendokun/e/29c0686b961144a9d96e2d38b9775885
湿度は体感温度を大きく左右する要素です。湿度が低いと涼しく感じ、高湿度だと蒸し暑く感じます。
熱中症の予防を目的として提案されたWBGT値という暑さ指数があります。
気温と同じ単位(℃)ですが、気温のほか湿度と日射・輻射などの周囲の熱環境も考慮した指標です。
環境省の熱中症予防情報サイトによると、効果の割合として、7割が湿度、2割が輻射熱、1割が気温となっています。
このことからも熱中症のリスクとして、湿度がいかに重要かということがわかります。
参考サイトhttps://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_lp.php
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